
7月30日発行の日経新聞の「NIKKEIプラス1」で「何でもランキング ロボット集合 見て学んで楽しんで」が掲載されました。この特集に関して7月上旬、「『ロボ工ネット』の「ロボットの見られる博物館などの紹介」を見て」として取材を受けました。
(社)日本ロボット学会編『新版ロボット工学ハンドブック』(2005年、コロナ社)の編集委員会幹事を務め、「ハンドブック発行後のロボット関連の増補的な内容を紹介したり、ロボットに興味を持たれた方への有用な情報発信」を目的に『ロボ工ネット』を運営しています。その中でMuseum Guideは、ロボットの分野は学際的な知識、総合工学的な視点が必要なことから、「ロボットに限定せず、もっと広い工学の分野、そしてそれを必要とする科学の分野などに多くの人が関心をもってくれれば」としてまとめています。ただ、「行きたい」と思いながら愛知県より西は、見学していない施設が数多くあり、既にいったことのある施設も見学した日から時間が経ち、展示替えに対応できていないのが現状です。
取材後、「ロボットの見られる博物館などの紹介」のWebサイトについてリンク切れとなっているもののチェックと訂正、科学関係の展示施設へのリンクの追加、展示施設を見たのに掲載を忘れていた施設の登録(現在、作業進行中)を行ないました(取材がよいきっかけとなりました)。
「ロボットに出合える施設」について次のように考えています。
1) できる限り本物を見せる(年齢と関係しますが、本物を見せることでそれを見た子ども達が成長するにつれて「あれを見たんだ」というように、知的好奇心にもつながっていくと考えています。)
2) 子ども達に様々な分野に好奇心を持って欲しいと考えていることから、ロボットに関連する施設だけでなく、近くに異なった分野の施設があればそこも見学する
3) NASAでは惑星探査機をロボットと呼ぶことがあり、宇宙関係の施設を含めるのがよい
4) 子ども達のお小遣いに対して負担の少ないこと(保護者にとっても・・)
以下、私の考える子ども達に見て欲しい施設を少し紹介します。
1. つくば市で楽しむ
つくば市はロボット関係の施設が多くあります。「つくばエキスポセンター」を除いて無料で見学できます。また、「サイエンス・スクエアつくば」に隣接する「地質標本館」では(子どもが興味を持つと考えられる)化石なども見られます。そこで下記の施設をセットで楽しむことをお勧めします。
【茨城県つくば市】
つくばエキスポセンター
・ 特別展「ロボットと人工知能」が2016年7月16日(土)〜9月4日(日)開催されています。
サイエンス・スクエアつくば(産総研)
地質標本館
・ 「サイエンス・スクエアつくば」と地質標本館は隣接しています。
筑波宇宙センター 展示館「スペースドーム」
・ 「筑波宇宙センター夏休み企画 サマーラボ2016」(8月1日(月)〜8月12日(金)の平日)
CYBERDYNE STUDIO - CYBERDYNE
・TX研究学園駅近くにあります。
2. 東京都 (「NIKKEIプラス1」の特集で紹介の施設を除く)
Honda ウエルカムプラザ青山
・ 日本科学未来館やツインリンクもてぎのHonda Collection Hallまで行かなくてもASIMOに会えます。また、TEPIA先端技術館が近くにあります。
3. 産業用ロボットなど
トヨタ産業技術記念館
・ 名鉄の名古屋本線の名古屋駅から1駅の「栄生駅」の近くという便利な場所にトヨタ産業技術記念館があります。トヨタ産業技術記念館は「近代日本の発展を支えた基幹産業の一つである繊維機械と、現代を開拓し続ける自動車の技術の変遷を通して、日本の産業技術史について次代を担う人たちへ系統的に紹介するための施設」とされます。そしてバイオリンロボットの実演、産業用ロボットの模擬動作なども見ることができ、また、子どもたちの楽しめるテクノランドもあります。
トヨタ産業技術記念館の近くに磁器・砥石メーカーのノリタケのノリタケの森があり、同社の歴史や陶器の製造などについて学ぶことができます(トヨタ産業技術記念館とノリタケの森(クラフトセンター・ノリタケミュージアムが有料のため)の共通券あり)。
4. 宇宙
つくば市の項で筑波宇宙センター 展示館「スペースドーム」を紹介しましたが、宇宙科学研究所(ISAS)の相模原キャンパスも子ども達に是非、訪れてほしい施設です。
ISAS | 相模原キャンパス
・ 臨時休館日の案内が掲載されていない場合は、土日祝日問わず9時45分〜17時30分の時間帯で開館
【石川県】
コスモアイル羽咋
・ 宇宙探査機が見られます。
5. 海洋
海洋もロボットの働く場所となります。海洋研究開発機構 横須賀本部の海洋科学技術館、団体見学が前提となりますが、毎月第1金曜日には1名から参加できる個人見学ツアーがあります。マニピュレータを搭載したしんかい6500のモックアップなどが見学できます(日本科学未来館でもモックアップがありますが、実際に研究している場所で見るのは大きな体験となります)。
海洋研究開発機構 横須賀本部